温もりを感じたくて

本屋でうろうろしていてた時のことだ。右斜めに視線を感じたので、控えめにそっち方向に向いてみた。
キレイな、いや美しい、いや可愛いかな？ えっと兎っぽいっじゃなくて、まぁ綺麗な女性が、一筋の涙を頬に走らせながら、たくましく輝いた目を 僕に向けていた。

その女性に惹かれ、少しボーっとした僕は、その一粒の涙に触れようと手を伸ばした。

その頬に触れた時、女性は雪崩のごとき勢いで崩れ落ちた。
その体を抱き留めた僕は、またしばらくボーっとした。
辺りを気にせず、やさしく抱き寄せていた。

解説

本屋を歩いていると、涙を流した綾瀬はるかの写真集があった。
映画『ICHI』の綾瀬はるかの写真集を凝縮させたものである。
その隣には、特命係長もいた。僕を見ていたがスルーした。
写真集を手に取って眺めていた時…
棚に並んでいた５、６冊の綾瀬写真集が雪崩のように崩れ落ちたのだった。
慌てて僕はそれをキャッチした。
辺りを見回し、素早くそれを棚に戻した。
また雪崩が起きないかと、不安そうに綾瀬はるかを見つめつつ、その場を後にした僕でした。

by全