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僕の目の前で、大きな花火があがった。

彩られた火花
溢れる形

それは僕の正面にある現実。

君が見ている、花火は僕と同じものかい?

同じ色で
同じ形?

君の住むマンションは花火が上がる場所を挟んでちょうど僕の住むマンションと向いあっている。

裏側から見る花火はどうかな。
こっちと同じかい?

横から見たらどんな風に見えるかな?
そんな名前の映画が昔あったね、君はクスクス笑う。


そう、これは僕と君が電話で話してる時のこと。
一緒に見ようと誘ったけど、君は部屋から見るわ、花火が上がったら電話するねと言った。

ホントは花火がうるさくて、君が何を言ったかなんて聞こえちゃいなかったけど、なんとなく想像しながら頷いた。

花火の種類や形、色、タイミングについて、君は話した。
唇が光を反射させ色っぽい。
話してる時の君の目はどこか虚ろで、僕を見ていなかった。

君は本当にそこにいるのかい?

花火が終わると、静寂と闇があたりを包み、マンションには灯りがついた。

花火は一瞬で散ってしまう、だから儚く美しいのよ。
なんて当たり前言ってごまかす。

僕は何も言わなかった、花火を花火だと割り切り、全く儚さを感じたりしなかったから。

電話が切れてた。
耳をすますと、プープーも聞こえていない。

そーいえば、電話止められてたな。


でも花火は見た。それだけは事実だった。
電話も持っていた。

でも君はいなかったし、マンションも向かいには無かった。

これは今ではなく1ヶ月前の話。

僕の宿題のない夏が終わった。

人が夢を見ることを儚いと言うなら、まさにそんな夏休みを空に描く。

僕はベッドに寝たきり。

その横で君は
夏が終わると寂しと言ったから、僕は頷いた。

秋の方が好きだから。


僕は悲しいふりをした。

by全



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★キレー!
NAME: 中山
すんごいねぇ。地元の花火大会かな?
2009/09/03(Thu)12:27:50 編集
★花火で
NAME: ちか
すすで服が黒くなる感じってさいきんないなぁ☆
2009/09/04(Fri)05:23:17 編集
★一応
NAME: 全
地元だよ!
某競馬場の花火大会でございます!!

結構すごいのよこれが。
2009/09/08(Tue)01:50:38 編集
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