言葉の大切さ

第五回公演の稽古が激化し始めた頃だっただろうか。
昼のニュースのとある内容に違和感を覚えた。

それは、
牛（だったか？）が数頭（いや数十頭だったか？）盗まれ、
窃盗罪として犯人を捜している
との内容だ。


パペットマペットだっけ？
お笑い芸人さん居るべ？
ちょっと思い浮かべてほしい。
牛くん、一頭。
蛙くん、一匹。
芸人、一人。

ニュースの「牛」を「芸人」に変えてほしい。

すると
芸人が一人盗まれ、窃盗罪として犯人を捜している
となる。

どうよ？
同じ立派な犯罪なんだけどさ……。
「窃盗」というより「拉致」と言ったほうがいいじゃないか。

人間と動物は違うよ、っていう人は気にしないでくれ。
何となく、そう思っただけやから。

言葉繋がりで、
大学時代にお世話になった佐藤洋二郎先生が言ってたけど、
「終戦」って言葉、日本にあるけど、れっきとした「敗戦」
日本人は都合いい言葉どんどん作る。
それが文化だ、っていう人は気にしないでくれ。

「戦争」は「大量殺戮」、「援助交際」は「売春」って
美輪明宏が何かの本で置き換えてたけど、
言葉って大切よね。
響き一つでショックさが全然変わる気がする。

物書きとして、より言葉に敏感に。
人間としても……、かな。
役者さんはその言葉を吐くのだから尚更だよね？