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生きた形跡のない真っ白い壁。
呪いたくなるほどに眩しい光が差し込む窓。
その全てに古新聞を貼り付け、
ボーダレス社会と僕の間に確かなボーダーを……。
作ったのか、作らされたのか。分からない。
僕が世界を隔離したのか、世界が僕を隔離したのか。
隔離。離反。反抗。抗撃。撃墜。墜落。落英。英断。断絶。絶望。

窓に貼り付いた古新聞に五円玉くらいの大きさの穴を開けると、
真っ暗な部屋に一筋のライン。
光の射すほうへ。その彼方に思いを馳せ、そうっと近付く。
息を呑み、目を凝らし、向こうを覗く。

あちらの世界で一人の女が台に立っている。
立てられた一本の長い丸太に縛られていた。
足下に無数の枝が敷き詰められ、女の立つ台の下には無数の人。
ゴミのようだ。
ゴミ? 枝が、人が? それとも彼女……、いや、僕か……。

涙を流していた。
目を凝らし、まばたきを忘れた僕が。
空を見上げ、何かつぶやく彼女が。
僕が瞬いた途端、火に包まれた。
燃えた。ゴミが。
枝は炭に、女は灰に。
人々はこのイベントに身を投じ、踊り狂って燃えつきた……。
いや、尽きてない、彼らの命は。

灰の中から鳥が羽ばたいた。
それを見て、蚊帳の外の不燃ゴミは思った。
……ああ、女は不死鳥だったんだ。



by RADY KESHY



おそらく、当日パンフに余白があれば、そこに載せる文。
もしかしたらいつか、戯曲化するかもねー
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