燃え尽きろ、野郎ども

男には闘わなくてはならない時がある。
そう、私が健康センター、もしくはスーパー銭湯と一般に言われる場所にいった時の事だ。
私はサウナに入っていた。 中には誰もいなかったので、私はゴロンと横になり、三人分くらいの場所を遠慮なく使った。 しばらくすると、一人の青年が入ってきて、横になってる私の頭のちょっと先に座りやがった。 髪型はさっぱり、姿勢がやたらいい青年で、 暑いのに、もう熱いのに、平然としていたから、やたらと腹が立った。

俺はコイツよりは先にはで・な・いっ！！
ゴングが鳴ってちょっとすると、二人の中年男性が入ってくるが、私たちの闘いでより暑くなっているハーブサウナに耐えられず、数分して去っていく。 へっへっへっ・へへへ。
ハーブサウナは蒸気が多いので相手の顔までははっきりわからない。私の戦闘スタイルは様々な形にポージングして、相手から集中力を奪う夢幻の型。 どーやら奴は全く動かない石の型のようだ。
私はこの手のスタイルを見ると、苛立ってしまう。 ポッポーとなった私は必殺、熱風地獄を繰り出した！！ この技はサウナ内の蒸気を一度体内に取り込み、相手に何気なく放射する技だ。 危険度は高く、強く噴くとバレて怒られるから慎重に。
すると奴に動きが見られた。おっ、出るのかっ、出るのかぁぁぁァァー！と思いきや、石の形に戻る、私はこの時、奴の出ようかな作戦にかかり、集中力を奪われていることに気付かなかったのだ。
なぁァァーにぃぃィィ若僧の分際でぇぇ、調子に乗るなよぉぉォォォ！！ 消え去りやがれっ 必殺、タオルータイフーンウォーターフォール！ この技はタオルを絞り、吸い取った汗の量を相手に実感させ、そっそそそんなに汗かいてんのーって相手から自信を奪う、諸刃の剣である。
青年の精神は砕け、サウナから出て行った。
青年が出てから、すぐに出るとギリギリだったとバレるため、サウナで倒れて脱出の時を待った。
なんとか露天のベンチに倒れ込み、私は空に一つの月を見た。 そこに平和なメロディーが 響いた。

君をのせてだ。

この時、俺の中に君をのせて論争が生まれた。
あのどれか一つに君がいるから。
あのどれか一つって、星？思い出？ 他もろもろ。 なんだろー？
こうして私の精神的且つ肉体的な熱は落ち着きを取り戻し始めた。

by 全