もう何年前になるだろうか。
中学生の修学旅行だから、十五歳くらいかな。
この黄金の物体は、京都のホテルで熱を出し、先生から外出許可がおりなかった僕に届いた、友人からのお土産だった。
まさかまだあるなんて思ってもみなかった。
思わず笑い、写メに撮って、これをくれた本人に送った。
彼は覚えていてくれて、つい昨日、そのことを考えていたらしい。
僕と彼は今でも、あの時にも増してダメダメな感じで仲良しだ。
もしかしたら、もう薄くなってしまったが、この黄金に輝く千手観音が僕らをつないでくれているのかもしれない。
※この黄金の物体は金ではなくメッキです。
by全
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